2012年5月16日 (水)

音楽業界のデジタル化低迷から考える電子書籍の未来

音楽有料配信の売上が落ち込んでいます。

音楽有料配信推移

デジタル化という面で、出版業界の一歩先をゆく音楽業界。

その音楽業界のデジタルコンテンツのマネタイズが伸び悩んでいるのは、出版界のことを考えると憂慮すべき事態です。

要因は、多くの人が従来の携帯電話をやめ、スマートフォンを使うようになり、今まで携帯電話で上げていた収益が落ちていることにあります。

携帯電話には「着うた」など、キャリアの通信料支払いと同時に支払えるという「気軽さ」がありました。

しかし、スマートフォンではインターネットはパソコンで見るのと同じ。

よって支払いも、キャリアの通信費とは全く別に、クレジットカードなどを入力し支払わないといけないだとか、コンビニとか別の場所に行って払わないといけないとか、そういう煩わしさがある。

というところですよね。

 

なんだかんだいって単に娯楽なんですよね。わざわざ面倒なことをしたくない人がほとんど。

YouTubeで検索して聴いたり、Craving Explorerで落としてiPodに入れたりとかの方が楽。

今まではガラケーで、そういったことをするのが面倒。お金を払ってでもレコ直でダウンロードする方が楽だった。

 

電子書籍市場規模の売上推移と予想


このグラフは電子書籍市場の売上推移と予想です。

果たして2015年には2000億円市場になるのだろうか。

それにはいかにして、楽に支払えるようにするかが問題だと思います。

 

少し基本的なところに戻ると、電子書籍の市場って、今ほとんどがコミックで、BL・TLが多かったりする訳です。

そういうったものを買う人って、女子中学生・女子高校生・女子大学生とかが多いんじゃないでしょうか?

クレジットカードを持ってないし、面倒なことしなさそう。

まあこれは偏見ですけど、そもそもおじさんなら紙の買うでしょう。

とりあえず、2015年とか直近では、いかにガラパゴスケータイの流通網でできていた支払いの簡易さからできた市場をなくさないことが大事。

電子書籍売上内訳

(インプレスR&Dのサイトから借りて来ました)

このグラフを見て分かるようにケータイ向け市場は2010年が頂点だと予測されています。

音楽市場よりも2年遅れているのは、出版社と著者の権利契約で、そう簡単にケータイだと言っても電子化できなかったから、遅れていただけ。

つまり、一番のグラフ、音楽配信の市場推移が示したように、電子書籍だといっても、このままならどんどんシュリンクしていく。

 

やっぱり直近としては気軽に買ってた層を確保しないといけない。

ケータイでコミックを買ってたけど、スマホに機種変更した人に引き続き買ってもらおう。

それに一番手っ取り早いのは、キャリア決済を可能にした電子書店。

よく出版人は「電子書店間で互換性がないことが電子書籍の普及を阻害している」と言います。

ずっと同じ端末を使うなんてありえませんし、長期に読みたい本を電子で買おうという気には、今の状況ではならないですよね。

でも、今までコミックがガラケーで買ってた人って、昔に買ったコミックを読み返してたんでしょうかね?

そんなに長期的なことを考えてないと思います。

 

電子書籍の最大の魅力って、「手軽さ」にあるはずです。

どこでも買える、どこでも読める。

電子書籍に手軽さが出れば本当に電子書籍の市場が急拡大していくだろうし、そうあって欲しいです。

まずは支払い方法の簡略化が必須。

日本人はモラルはそれなりにありますし、面倒じゃなければちゃんと対価を支払うと言う人が多いはず。

気軽に払えるようになれば、音楽配信も復活するし、電子書籍は成功する!

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2012年5月15日 (火)

オイコノミアがおもしろい 「年功序列は保険」

NHK・Eテレで、「オイコノミア」という番組が春から始まっています。

ピース又吉が、学者と一緒に、現代の若者が関心のあるテーマを解説していきます。

結婚、給料.etc

 

さっき録画していた「給料」の回を観ました。

確かに、給料ってどういう風に決まるか不思議ですよね。

初任給は普通20万ですけど、野村証券のグローバル採用だったら53万だったり、キーエンスは30歳で1000万超えるとか…。でもお笑い芸人なら3年目でも、月1万円くらいらしい(又吉談)。凄く大きな差がありますよね。

 

給料の額は、参加制約とインセンティブ制約の2つから決まる。

参加制約: 働きたい人と、雇いたい人、の需要と供給の人数が揃う点。他の会社と比べてどの会社に勤めようか決めるという点。

インセンティブ制約: 働いている人が一生懸命働くか、サボるか判断する点。

 

年功序列は保険!

という言葉が一番印象に残りました。

Photo


横軸は時間、縦軸は給料・仕事量です。

給料は赤線です。次第に上がっていきます。

仕事のパフォーマンス量は緑線です。勤めたてはむしろ赤字なくらいで、だんだんできるようになっていくが、最後には下がってしまう。

 

これを考えれば、年長者が余計にもらっているのは中年の頃にもらい損ねたのを回収しているという訳で、

会社側から言えば、回収するまで辞めにくくすることで、会社に対する忠誠心がつくという利点があります。

つまり、勤めあげれば、どちらも損はしない仕組みになっているという訳です。

 

しかし、この緑の曲線は、もっと上に振れる社員もいれば、下に振れる社員もいます。

入社時は自分がどんな緑曲線を描くか分からない。日本企業は社員同士の差をあまりつけないので、ダメだった時も保険として働くし、優秀でも働く前は分からなかったと考えれば保険に入っていたと思えばもともとになる。

つまりは上手く働けば非常に合理的なシステムなのです。

 

 

 

 

日本企業の伝統バンザイ!!

 

という訳には、もちろんいかないんですよね。

潰れない企業じゃないといけないし、その社会も成長していないと難しい。

今、大企業は日本の会社の0.3%しかなく、会社全体は年間で6.2%が倒産している。

会社の保険機能が果たせない現代、セーフティーネットを公的な保険制度、例えば失業保険や就業支援などを充実する必要が出てきている、という内容でした。

 

そういう意味では、ベーシックインカムなんて面白いんじゃないでしょうか?

学生時代から自分が活躍できると確信できて、本当に成功しちゃう人は別ですけど、そうじゃない人が今、日本的システムを保険しているのはある種もったいないところもありますよね。

方法はなんにしろ、別のところに保険機能を持たせられれば、労働者の流動性も高まって、より人材が適材適所になるのではないかと思います。

新卒の就活で、本当に就くべき場所に就ける人はいったいどれくらいいるのかは疑問です。

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2012年4月29日 (日)

就活ご報告

就職活動が無事に終わりました!

出版系の企業です。

ブログの更新も復活できれば、と思います。

 

ちなみに、自分が受けた業界を紹介します。

 

製薬 1社

エネルギー 1社

鉄道 6社

エンジニアリング 4社

建設 1社

IT 4社

人材 1社

印刷 1社

化学 10社

硝子 2社

金属 6社

出版 14社

新聞 2社

重工業 6社

機械 2社

 

 

業界で1社しか受けていないところもそれなりにありました。

こういう風な就職活動はたぶんメジャーではないと思いますが、終わってみて、それもよかったのかな、と思います。

今日はこの辺で、また今度。

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2011年11月28日 (月)

出版甲子園に行ってきました ゲスト:岩崎夏海さん

大学生が本の企画をし、その企画の質を競う「出版甲子園」というイベントを見に行きました。その紹介と感想を書きたいと思います。

この出版甲子園の審査員はプロの編集者と書店員で、編集者の目にとまった企画は実際に書籍化のチャンスがあります。

 

過去には、

石松宏章『マジでガチなボランティア』、講談社

霜田明寛『パンチラ見せれば通るわよっ!』、タイトル

などが出版され、

マジでガチなボランティアは映画化までされ、同内容が別に再度映画化( 僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia. )されています。

 

そんな夢のある大会です。今回で7回目です。(僕が見に行ったのは初めてです。)

審査員は豪華で、角川書店、講談社、集英社、紀伊国屋書店、リブロなどと一流の出版社や書店から集まっています。

ゲストには「もしドラ」こと、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』の著者である岩崎夏海さんが来ていました。

 

学生からの企画は12作品が登場しました。

学生本人によって企画のプレゼンが行われ、審査員からの質問、岩崎さんからの意見をいただくという形で進みました。

この中でいくつか面白いなと思ったものを紹介してみます。

※勝手に要約します。

 

『大日本トイレ奇譚』 藤原文味子

周りの友達が充実した大学生活を送る中、自分は何もしていないのではないか。そう焦燥感に駆られて生活していた。ふと大学のトイレに入ったとき、1つの落書きが目に入ってきた。

「トイレには神様がいるんやで」

ご存知、上村花菜のトイレの神様の一節だ。ぷっと吹き出して笑ってしまうと同時に、塞ぎ込んでいた気持ちがなぜか晴れた。そうだ、トイレには自分の居場所があるんだ。そこからトイレを徹底的に巡ることにした。

という感じで、全国の変なトイレを巡ったそうです。で、最後は実家のトイレ。実家のトイレにはお札と仏様の絵が飾ってあり、その意味をおばあちゃんに聞いて締める。

 

『実録!「肉食合コン」のすべて』 村瀬さつき

テーマは「ヤ○○○に光を!肉食女子大生に光を!」

「肉食合コン」とは、聖心女子大学・フェリス女学院大学・白百合女子大学の「スーパーお嬢様」女子大生と、大手広告代理店・外資系金融企業など「エリートサラリーマン」による、西麻布界隈の会員制カラオケ店や、六本木のバーで行われる、彼氏彼女関係になることを目的としない、合コンのこと。(企画発表者談)

村瀬さんは肉食合コンに約100回参加してきたそうだ。それで自分が変わったこと、それはヤ○○○になった、ということだ。周りの子も初めは、インターンシップ的な動機であったり、自己実現のためであったり、単純にエリートな人に近づきたいという気持ちな人も多かった。しかし結局はほとんどみんな単に享楽のために生きる、ヤ○○○になった。

当本人だからこそ分かる実体験をまとめる。社会に肉食女子大生の存在を知ってもらい、過剰な期待にさいなまれる肉食女子大生に勇気を与えたい。

 

『世界一の紙芝居屋ヤッサンの「人生を貫く7つの心」』 高田真理

高田さんは京都大学理系院生。研究に明け暮れていたある日、紙芝居屋のヤッサンに出会う。ヤッサンの紙芝居道に惹きつけられた高田さんは弟子入りを決意。休日はヤッサンに師事し、紙芝居に取り組んでいる。

師匠のヤッサンは紙芝居歴40年で、国内外で活躍する。年商は水あめで1500万円に上っている。長年培った紙芝居道から人生への鋭いメッセージを持っている。

 

他には、

『100年愛されたヒロインがあなたに贈る、恋の処方箋』

『しゃべくり英文法』

『初恋訳 孫子の兵法入門』

『新・現代社会の教科書 ~東大教授のアタマの中をのぞいてみよう~』

『無能の就活 ~人事に体を売らないで!資格も実績もいらない内定理論~』

『国境のはざまで生きる ~一番身近な「難民」のはなし~』

『アイディアがあふれてとまらない脳みそをつくる イスラエル式発想の練習ノート』

『性犯罪に負けない』

『目が覚める科学』

 

編集者や書店員、岩崎夏海さんからのコメントいろいろあったのですが、その中で抜粋・まとめて紹介します。

 

1.自分がすごいと思っても、それはみんなが思うすごさなのか

自分が「これはすごい!」と思っても、本当にはそれはすごいことなのか、客観的に考え直す必要があります。

例えば、「東大教授」と言われた場合、大学生はすごいと思うでしょう。しかし世間の大人から見れば、東大の先生なんてなんぼのもんじゃい、とか思っている人が多いかもしれません。さらには、出版という世界は比較される範囲に制限はありません。東大教授よりも、スティーブ・ジョブスであったり、武田信玄、ナポレオンなどといった方の思考法を知りたいと思うのが当然です。

自分が所属するグループの感性から一歩外に出ましょう。

 

2.とりあげたい問題は世間からどう思われているのか

自分が「これは大事だ、みんな知っておくべきだ」と思っても、それは本当に大切にすべきことなのか、客観的に考え直す必要があります。

例えば、日本に難民が来てもほとんどが認めらずに、自国に強制送還されるか、施設に閉じ込められている、という問題があります。

自分がこれはいけないことだ、もっと難民として認めるべきだ、と思っても、世間の人にはどんな意見があるのか、考えてみます。すると、外国から来た人を難民として受け入れてしまうときに起こる問題や、そもそも施設での生活費用は税金で賄われている、という着眼点もあることに気づくはずです。

もちろんもし難しいテーマの本を出す場合、こういった批判が起こるのは防ぐことできませんし、反応をコントロールすることは不可能です。でも、初めにこういった意見もあると認識してから書けば、より押し付けではない、納得しやすい論になります。

 

3.本は買うもの、商売のものだということを認識する

人は取り上げているテーマが大事だと分かっていても、実際に買うのには勇気がいることです。あまりにも問題を主張して、問題が重くなっていればなかなか買うことはできません。

また、主張したいテーマがあっても、本として書店に並ぶときには、「商売」という風に見られてしまいます。

印税を寄付するなどしないと、どうせ商売なんだろうと思われてしまい、誤解されてしまうこともあります。

 

4.本というメディアであることを考える

なぜ本でしたいのだろうか、ということを考える必要があります。紙でするということは、音声や動画にはないメリット、また反対にできないことがあります。

例えば、発音の参考書を作った場合、こちらからの発音はCDを付録すれば渡すことはできます。しかし、読者が実際に学習してもその発音が合っているかどうか調べることはできません。

 

 

岩崎夏海さんの哲学

岩崎さんの著書に難癖をつけてきたり、批判をする人もいます。よく人はそんなのを気にしてはいけないなどと言います。しかし、岩崎さんはちゃんと向き合うべきだと言っていました。

エンターテイナーとしてある作家は、お客さんを満足させるためにちゃんと向き合う必要がある。お客さんからの意見を無視してしまうことは、非常に高慢なこと。愛情の反対が無関心といわれるように、無関心であってはいけない。

 

また、岩崎さんはプレゼンする学生にアドバイスをしていたのですが、それが興味深かったです。

企画内容よりも、プレゼンテーションの仕方が重要である。プレゼンが上手ければ、本としてまとめる力もあるはずだと思う。また、質問に答え方が上手ければ、この人と打ち合わせしたい、と思う。

つまり、プレゼンと質問をきちんとできる人と仕事をしたいと編集者は思うのだ。

ホスピタリティのある受け答え、柔軟な受け答えをするとよいと言っていました。

 

そして、岩崎さんは人とのめぐり合わせが人生で重要だと言います。

人を見る目が必要だと。

ホスピタリティのある人がよいということに同じなりますが、言葉の中身・内容ではなくて、どのように非言語的なコミュニケーションをするか、そこから人を見るべし。

 

まあ、自分の場合は自分自身がきつい性格なので、心の狭い人は離れていってしまう、自然に周りには良い人だけになると言っていました。笑

ともかく、内容的ではなく、やはりコミュニケーションの質が何においても重要なのだと分かる日でした。

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